そのため、免疫力が低下することで病気にかかりやすくなるのを避けるために、普段からなるべく身体をゆるめる習慣をもつことで免疫力を高めていくことが大切になってきます。
身体をゆるめることの必要性については、「ゆる体操」の創始者である高岡英夫氏の意見が参考になります。
高岡英夫氏は『「体をゆるめる」と必ず健康になる』のなかで、「人間の体は本来ゆるんでいくようにつくられており、ゆるんだ状態であれば体が疲れにくく、最も健康で、かつ最高の能力を発揮することができるのではないかと考えられます」と述べています。
また、身体をゆるめることが出来る「ゆる体操」の健康効果として以下を挙げています。
さらに高岡氏は「残念ながら人間の体は、立ちはじめたときから固まる方向、すなわち剛構造の方向に向かっていきます」とし、知らない間に身体が強張ってサビついてしまうことの問題について以下のように述べています。
悪い状態の慣れ、すなわち自分の体への鈍感さはたいへん恐ろしいものです。というのは、体に対する〝鈍さ〟のために、自分の体の不良に気づかず、気づかないために、状態は水面下でどんどん悪化していくからです。実は、死に至る重い病の多くは、こうした〝鈍さ〟によって引き起こされるものなのです。
ところで、自転車であればオイルを差し、正しく整備すれば、ふたたびピカピカになり、快適に走ってくれます。同じように私たちの人体も、オイルを差し、正しく整備をすれば、信じられないほどピカピカによみがえり、快適に動き、働いてくれるのです。
では人体の場合、オイルを差したり、フレームやハンドル、車軸の調整をしたりするには、何が必要となるのでしょうか。それが、全身のすべての部位をゆすり、ときほぐし、ゆるめることなのです。一言で示せば「ゆるめること」。これに尽きます。
(高岡英夫『「体をゆるめる」と必ず健康になる』 p2~3)
ここでは高岡英夫氏の『「体をゆるめる」と必ず健康になる』のなかから、免疫力アップと肩こりに効果的であるとされる「肩甲骨モゾモゾ体操」を紹介します。
この「肩甲骨モゾモゾ体操」は背中の疲れや息苦しさの解消にも有効だとされますので、長時間のデスクワークやスマートフォン操作などで身体が強張ったり、息苦しさを感じたりした際は、ぜひ試してみてください。
さらにからだの「軸」を意識しながら身体をゆるめる運動を、山口創氏の『腸・皮膚・筋肉が心の不調を治す』の中からご紹介したいと思います。
「足と体軸をゆるめる」エクササイズ
(山口創『腸・皮膚・筋肉が心の不調を治す』p200より)
また、ロルフィングの専門家である藤本靖氏の「耳ひっぱり」のワークも、身体をゆるめるのにオススメです。