免疫力を高めることは認知症予防に効果的です。
なぜなら食事・運動・睡眠といった免疫力を高めるための生活習慣は、認知症予防にもつながるからです。
認知症は65歳の高齢者のうち、5人に1人が罹患しているとされています。また、近年、65歳以下でも認知症が発症するという「若年性認知症」が大きな社会問題として取り上げられるようになってきました。
しかし、なぜ40代や50代の年齢であっても、「若年性認知症」と呼ばれる症状に悩まされる方が、増加の一途をたどるようになったのでしょうか?
実は認知症を考えていくうえで注意しなければいけないのは、「認知症」とは病名ではないということです。
例えば、山嶋哲盛氏は「「認知症」とは病名ではなく、記憶障害、見当識障害、理解力や判断力、実行力、注意力などの低下により、日常生活やコミュニケーションに支障が出る状態を指します」としています。(参考『サラダ油をやめれば認知症にならない』)。
また認知症の約63%は「アルツハイマー型認知症」だとされていますが、「認知症の大半は加齢に伴って生じる「血管の老化」が原因である可能性が高い」と述べています。
さらに山嶋氏は「認知症は、予防はできても治療はできない病気である」としています。
そのため認知症は、一度発症してしまってからではすでに遅いのです。したがって認知症が発症しないように、もしくは出来るだけ発症を遅らせるために、40代・50代から生活習慣を気をつけていくことが何よりも重要になってくるのです。
このことに関して伊古田俊夫氏は、『脳からみた認知症』のなかで以下のように述べています。
認知症の発病や進行をできるだけ遅らせるためには悪化因子(アクセル)を取り除き、防御因子(ブレーキ)を増やすことである。実は、その具体的対策の大半は、生活習慣病の予防や一般的な健康管理と共通したものである。常識的に指摘されている「健康的な生活」を取り戻すことこそが認知症の予防であり、知的衰えの予防となるのである。「秘策」は存在しない。認知症の予防策は、私たちの常識と良識の中にこそ潜んでいるのである。(伊古田俊夫『脳からみた認知症』p169~170)
また、伊古田俊夫氏は認知症を悪化させる原因として以下が挙げられるとしています。
一方、「認知症を防ぐ可能性のある事項」として、以下を挙げています。
このように40代・50代から認知症を予防するためには、日頃の食生活に気をつけることに加え、適度な運動や十分な睡眠、人との交流などが必要になってくるのです。
冒頭でも述べましたが、これら食事・運動・睡眠に気をつける生活習慣は免疫力を高める生き方とも合致します。
ちなみに日頃の食生活において、認知症を予防するために大切になってくる要素は、
です。
この3つの要素のうち、具体的に特に重要になってくるのは、砂糖などの糖質の摂り過ぎを控えること、サラダ油をやめて代わりにDHAを多く摂ること、そして、腸内細菌のバランスを整えることです。
また普段から知的好奇心をもち、読書に勤しんだり難解なパズルに挑戦するなど、積極的に頭を使うようにすることも、認知症予防のためには大切であるように思われます。