ここではセロトニンと腸内細菌の関係について述べています。
よく新聞やテレビなどで、「うつ病」の原因は脳内のセロトニン不足であるといった内容が報道されています。
そのセロトニンが作られるには必須アミノ酸である「トリプトファン」 を、ドーパミンは必須アミノ酸の「フェニルアラニン」を食べ物から摂取することが必要であるそうなのですが、その前駆体は腸内細菌がいないと合成出来ないそうなのです。
ちなみに「幸せホルモン」であるセロトニンは歓喜や快楽を伝える脳内伝達物質です。
藤田紘一郎氏によれば、そのセロトニンは、 「トリプトファンから5‐ヒドロキシトリプトファンという前駆体に代えられ、腸内細菌によって脳に送られ」ると言います。
また報酬系に関わり、気持ちを奮い立たせやる気を起こさせるドーパミンも、「フェニルアラニンからチロシンになり、それが水酸化してL‐ドーパという前駆体として合成され」るとしています。
腸内細菌はセロトニンやドーパミンといった脳の伝達物質の生成に影響を与えていると言います。さらに藤田氏によれば、人間の体内のセロトニンの90%が腸に存在して脳をはじめとした各臓器に送られているのだそうです。
そのセロトニンやドーパミンがきちんと作用するには、腸内細菌がバランスよく腸に存在していることが大切です。
したがって、きちんとセロトニンやドーパミンなどのホルモンが分泌されるためには、日頃から腸内環境の改善を行うことが大切なのです。
また、腸内環境を保つためには、ストレスの少ない生活を送ることが大切だと藤田氏は述べてい ますが、現代社会はストレスに満ちているため、腸内細菌のバランスを崩しやすく、特にセロトニンの量を一定に保つのは難しいとしています。
そのため、強いストレスや電化製品による電磁波、外界からの紫外線、タバコの煙などによって腸内に発生する活性酸素を防ぎ、腸内環境を整えるのには、抗酸化作用のある食品、特にエキストラバージンオリーブオイルを藤田紘一郎氏は薦めています。