食生活が乱れることは、免疫力が低下する大きな原因です。
私たちの体の中の免疫システムを主につかさどっているのは血液中の白血球ですが、これがうまく働くためにはバランスの取れた食事を心がけることが大切です。
免疫力が下がらないようにするためには、たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素をバランス良く十分に摂取しなければなりません。特に食生活が偏ることで問題になるのは、野菜不足によって生じるビタミン不足です。
ビタミン類は体内では作られず、特にビタミンB群やビタミンCには免疫細胞を活性化するはたらきがあるため、不足してしまうと、白血球の働きが悪くなりウイルスや細菌などの異物を攻撃する力が弱まります。
ミネラル類も同様で、現代においては加工食品などの増加により、過剰摂取というよりは不足しがちになっています。必須ミネラルと呼ばれるミネラル群も体内では作られず、不足するとやはり免疫力が低下する原因になります。
消化に時間がかかるため消化しきれないと脂肪になりやすい動物性たんぱく質や、中性脂肪やコレステロールを増加させる飽和脂肪酸のとりすぎは、血管に脂肪を蓄積し、血流を悪くすることで免疫細胞のはたらきを鈍らせます。
特に肥満の状態は糖尿病や心臓病といった疾患につながりやすいので、糖分と油分はなる べく控えたほうが良いでしょう。
しかし、痩せたいという思いが強すぎて無理なダイエットを繰り返すことも免疫力の低下を招きます。カロリーを抑えようとするあまり、必要な栄養分まで足りなくなってしまっては元も子もなく、結果的に健康的な生活が送れなくなってしまいます。 栄養はあくまでもバランス良く、規則的に摂ることが大事なのです。
また、現代社会においては、免疫力の低下の原因として、もうひとつ「飽食」があります。
食物を食べすぎることによって、たんぱく質や脂質などがきちんと消化されず、未消化物として体内に溜まることは、腸内の環境を悪化させたり、血液を汚したりしてしまいます。
そのことによって、免疫細胞である白血球の働きを鈍らせてしまうため、常日頃から少食を心がけることは免疫力を維持するために大切になってきます。
また白砂糖や人工甘味料や糖質の摂りすぎは細胞内のミトコンドリアの機能を低下させると言われているため、むやみに糖質を摂りすぎることも控えた方が良いとされています。