呼吸法で身体をリラックスさせて免疫力を高める

呼吸法を行うことは自律神経のバランスを整えて免疫力を高めるだけではなく、からだとこころを落ち着かせてくれるため、ストレスによるイライラや精神的な疲れを鎮めるのに最適の方法です。

 

また不安な気持ちを解消するのにも効果的です。

 

特に忙しい毎日を送っている多くの方は、呼吸が当たり前のように行われているため、普段はなかなか呼吸の大切さに気づかないことが多いように感じられます。

 

しかし、「息」とは「生きる」ことと同義であるように、呼吸のあり方と、その人自身の生きることへの態度や姿勢、心の状態は、実は密接に関わっています。

 

毎日、時間に追われてばかりで、リラックスする機会が少ない人は、それだけ身体が前のめりになりがちで、呼吸も浅くなり、緊張状態が続いて交感神経ばかりが優位になっています。そのように交感神経ばかりが優位になり、副交感神経がうまく働かなくなると、自律神経のバランスが崩れ、免疫力は低下してしまい ます。

 

その一方で、身体全体をうまくゆるめることが出来、深い呼吸をするよう常に心がけている人は、免疫力が向上しますし、前のめりにならず、周りに流されず自分自身で時間のゆとりを作り出すことが可能です。

 

そのような、心身をコントロール出来る理由には、呼吸の働きが関わっています。呼吸の際、腹圧によって上下する横隔膜は、リラックス効果をもたらす副交感神経とつながっています。

 

副交感神経は心拍数を抑制したり、内臓の働きを活発にしたりするため、呼吸を深めることは、緊張状態やストレスの緩和に役立つのです。

 

呼吸法は焦らずリラックスを心がけることが大切

 

呼吸には胸式呼吸、腹式呼吸、丹田呼吸、完全呼吸など、様々な呼吸法がありますが、正しい呼吸法はありません。無理に「正しく呼吸しなくちゃ」と焦らず、リラックスを心がけて気持ちよく行うことが何よりも大切なのです。

 

座布団や床の上に胡坐をかいた姿勢でも良いですし、椅子に座っても構わないので、ゆっくりと鼻で呼吸を深めていきましょう。ただしその時、背すじを気持ちよく伸ばすようにして、背が猫背のように丸まらないようにしてください。

 

また、吸うことも吐くこともどちらも大事ですが、吐くほうの時間を長めにすることが、よりリラックスする秘訣です。

 

最初は腹式呼吸で吐く息は長めに

 

最初は難しい呼吸法にチャレンジせず、腹式呼吸を行うよう心がけると、息の出し入れを深めやすいと思われます。

 

息を吸ってお腹をふくらましたら、息を長く吐き続けます。するとお腹がへこんでいき、全部吐ききってしまうと、スッと自然に空気が鼻から入ってきます。

 

その時にお腹もまた、空気が入ってくることでふくらみます。その作用を利用してゆったりと軽く息を吸ったら、また、息を全部出し切るまでゆっくり吐き続けます。

 

吸う方は基本的に鼻で行い、吐く方は口で行うと、より呼気(吐く息)を多く吐き出すことが出来ます。その時は、口をすぼめるようにして息を少しずつ遠くまで吐き出すようにすると、長い時間吐き続けることが出来ます。

 

ちなみに息を吐く時間は、長ければ長いほどリラックス効果が増すので、最低でも10秒、 出来れば息を吐き切る感じで、15~20秒を目指してみましょう。

 

またその時に、身体の中に溜まっているイライラやモヤモヤを全て外に吐き出すつもりで、ゆっくりと息を吐いていくとより効果的です。反対に、息を吸う時は、嫌な気持ちを全部吐き出した代わりに、きれいで澄み渡った清浄な空気が、身体の中に充満していくのを感じるようにします。

 

そして息を吐きながら身体をゆるめて全身が次第にリラックスしていくようにします。さらに、息を吸うごとに身体の中の苛々や焦り、怒りの感情などが消えていき、からだの中が透き通った空気で満たされていくのをイメージします。

 

森林浴を行いながらの呼吸法も効果的

 

ちなみに、呼吸法を行う場所を森林や湖がある公園など、自然を満喫できる場所に移してみると、リラックスにより効果的です。

 

日頃、仕事などでプレッシャーがかかる毎日を過ごしている方は、緊張の連続で眉間にしわが寄り、こめかみのあたりに力が入り過ぎていることが多いので、この呼吸法を行うことで、からだ全体を緩め、出来るだけリラックスするよう心がけてみることをオススメします。

呼吸法―免疫力向上生活