γ(ガンマ)‐オリザノールの免疫力効果

γ(ガンマ)‐オリザノールとは、米糠(こめぬか)や胚芽に含まれているポリフェノールの一種で、玄米やコメ胚芽油などに多く含まれています。ポ リフェノールとは、植物の苦味、渋味、色素の成分となっている化合物の総称のことであり、強力な抗酸化作用があることが知られています。

 

抗酸化作用とは、極度のストレスを感じたり、激しい運動を行ったりした際に発生する活性酸素が、細胞をサビつかせて老化を促すのを防ぐ働きのことです。 植物は太陽光の強い紫外線を浴びることによって生じる活性酸素の害を、色素成分であるポリフェノールが防いでいるのです。

 

ポリフェノールの一種であるγ(ガンマ)‐オリザノールにも、そのような活性酸素のはたらきを防ぐ抗酸化作用があります。

 

また、γ-オリザノールは、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールとのバランスを整える働きがあるとされており、生活習慣病の予防に高い効果を発揮すると言われています。

 

特に、益崎裕章氏ら研究チームのマウスや細胞を用いた基礎研究により、γ(ガンマ)‐オリザノールが、高脂肪食に対する嗜好性を軽減させ、抗肥満、抗糖尿病効果を発揮することに深く関与していることが分かっています。

 

益崎氏らの研究発表によると、高脂肪食の嗜好性については、脳の視床下部における小胞体ストレスの上昇が深く関わっており、高脂肪食の摂取によって小胞体ストレスが亢進すると、より高脂肪食への依存が強化されてしまうそうです。

 

しかし益崎氏ら研究チームはγ(ガンマ)‐オリザノールが、視床下部における小胞体ストレスを軽減する「分子シャペロン」として機能して、高脂肪依存食の悪循環を断ち切る作用があることを見出したとしています。

 

それに加えγ(ガンマ)‐オリザノールには、小胞体ストレスを抑制し、β細胞の細胞死を抑え、インスリン分泌能を高める作用があることも突き止めたそうです。さらに、γ-オリザノールはβ細胞に直接的に作用し、血糖値を上げるグルカゴンの分泌も抑制する働きもあるのだと言います。

 

そのため、γ(ガンマ)‐オリザノールは、生活習慣病の中でも特に肥満症糖尿病に強い改善効果を発揮することが期待されています。