免疫力低下の原因

 免疫力が低下する原因としてはストレスをはじめとして、以下のようなことが挙げられます。

免疫力低下の原因

免疫力の低下の原因のひとつに、まずストレスが挙げられます。

 

何といっても現代は非常にストレス過多の時代であると言うことが出来ます。時代の移り変わりによってストレスの質は変わってきますが、昨今は戦後まもない頃と比べる と、厳しい競争や、複雑な人間関係の悩み、デジタル機器の氾濫などがストレスとして過剰に感じられるようになってきていると言えます。

 

ストレスは疲労の原因であると言われています。身体的・精神的な疲労がストレスと共に蓄積していくのを放置し続けて慢性的になると、なかなかリラックスできなくなっていきます。

 

このような状態に陥る理由は、交感神経が緊張する状態が続くことで自律神経のバランスが崩れていくためです。

 

その原因は自律神経の働きを司る脳の視床下部が「ストレス」を認識することで自律神経の切り替えがスムーズに出来なくなるからだとされています。

 

また、視床下部には下垂体ホルモンを調節したり、体温を調節したりする役割もあり、ストレスと深く関わっているため、強いストレスを感じたり、弱いストレスの状態が長く続くと、結果的に体温を下げてしまうことになると言われています。

 

体温が下がると免疫細胞のリンパ球の比率が下がり、顆粒球が多い状態になると言います。顆粒球が増えすぎると、顆粒球が死んで細胞質が壊れた時に、細胞中の活性酸素が放出されてしまいます。

 

大量に活性酸素が放出されると、まわりの細胞がどんどん酸化して壊れていき、それが胃であれば、胃の粘膜がやられ、胃炎や胃潰瘍へつながってしまいます。

 

また、交感神経が緊張し続けることによって増えた顆粒球が放出する活性酸素によって、血液もドロドロの状態になるため、疾病につながるリスクは高まってしまうのです。

リラックスのし過ぎで副交感神経が優位になりすぎても良くない

ストレスによって交感神経が緊張する状態が続くと、胃炎や胃潰瘍といった病気につながるおそれがありますが、かといって、家の中で必要最低限のストレスがほとんど感じられない張りのないリラックスしすぎの生活を送っていても、疾病のリスクは高まると言います。

 

それは主に鼻炎や皮膚炎などのアレルギー性の病気です。副交感神経が優位になりすぎると、やはり体温は低下していき、今度はリンパ球の比率が高まっていきます。

 

リンパ球が多くなりすぎると、ダニやほこり、花粉などが体内に入って来た時に、本来敵ではないのに敵と見なして過剰反応を起こしてしまいます。そのことを「アレルギー反応」と呼び、くしゃみや鼻水といった症状として現れます。

 

また、運動不足も免疫力低下を下げる原因の一つです。座ったままなどの同じ姿勢で居続けると、血流が悪くなり、免疫系の働きを弱める要因になってしまいます。

 

疲労が蓄積するほどの激しい運動は逆効果ですが、適度な有酸素運動はリンパ球の一種であるNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化し、程よい筋力トレーニングによる身体作りは高い体温を保つのに有効であるとされています。

体温の低下も免疫力を下げる

体温の低下も免疫力を下げる原因

体温の低下は免疫力を下げる大きな原因だとされています。

 

体温が一度下がっただけで、免疫力は三十%も低くなるとも言われており、反対に体温がたった一度上がるだけで免疫力は五~六倍にも高まるといいます。

 

冬の季節でなくても、普段から冷たい飲みものやアイスクリームなどを体内にたくさん取り込むことによって、胃腸が冷える機会が多くなっています。また、冷房が効きすぎた室内に長時間いることも体を冷やす原因になります。

 

特に多くの免疫細胞が集まっている、免疫器官のかなめである腸を冷やしてしまうと、その分、免疫機能が低下してしまうため、腸を温める習慣をもつことも免疫力を高めるためには重要です。

 

このように、体を冷やすと免疫力が低下して体調不良や様々な病気の原因になってしまうため、常日頃から体を冷やさないよう心がける習慣をもつことが大切です。

免疫力の低下