ここでは体温を高める方法や食べ物について述べています。
低体温は免疫力低下の原因になります。そのため免疫力を高めるためには、低体温を避けることが望ましいのですが、そのためには具体的にどのようなことを行えば良いのでしょうか?
体温を上げる方法には様々なものがありますが、ここではお金をかけずに手軽に出来る三つの体温を高める方法をご紹介したいと思います。
1、スロートレーニングを行う
体温を上げるためには、普段から30分程度のウォーキングを行なったり、筋力トレーニングを行ったりすることが効果的だとされています。そのため、低体温を避けるためには、そのような運動を日頃から行うことが望ましいのですが、ここでは特に「スロートレーニング」をご紹介したいと思います。
医師の齋藤真嗣は『体温を上げると健康になる』のなかで、「加圧トレーニングに近い効果をもちながら、家庭で一人でも安全に行える「スロートレーニング」」を紹介しています。
この「スロートレーニング」とは、「非常にゆっくりとしたスピードで行う筋肉トレーニング法」のことで、「具体的にいうと、一回のスクワットを一分間ぐらい、時間をかけて」行います。
まず三十秒ぐらいかけてゆっくりと腰を落とし、また三十秒ぐらいかけてゆっくりともとの位置に戻す。これを、呼吸の回数を減らし、できるだけ無酸素に近い状態で行うのです。
トレーニング量の目安としては、一分間一回のスクワットなら、自分の体力に合わせて一〇回から一五回ほど行っていただければ、かなりの筋肉増量につながります。もし、一〇回なんてきつくてとてもできないという人は、三回でも五回でもいいので、できる回数から徐々に増やしていくといいでしょう。(齊藤真嗣『体温を上げると健康になる』p95)
普段からスクワットを行っていない場合、実際に1回のスクワットを1分間を目安に行うのはけっこう大変です。そのため、もしつらいというのであれば、いきなり無理せず、1回のスクワットを30秒を目安に、なるべくゆっくりとスクワットを行うだけでも、体温アップの効果を感じられます。特に寝る前に行うのがオススメです。
2、体を温める食べ物・飲み物を摂る
普段、私たちが摂っている食べ物には、実は体を温めるものと冷やすものがあるとされています。このことは中医学における「陰」と「陽」の分類による食べ物の捉え方ですが、体を温める食べ物と冷やす食べ物の要素について、石原結實医師は、『病気が治る温め方』のなかで、
などを挙げています。
陽性食品は、外観が赤、黒、黄などの暖色をしており、固く(水分が少なく)、塩からく、北方に産する…などという特徴があります。また牛乳以外の動物性食品は陽性食品です。
よって、肉、卵、チーズ、魚介、塩、みそ、醤油、明太子、つくだ煮、漬物、根菜類は、体を温める陽性食品なのです。
逆に、水分の多いもの、青・白・緑の食物、南方産の食物は、体を冷やす陰性食品です。つまり、水、酢、牛乳、ビール、ジュース、バナナ、パイナップル、かんきつ類、コーヒー、緑茶、白砂糖…などです。(石原結實『病気が治る温め方』p24)
生姜湯や紅茶、ココアなどは、体を温める飲みものとしてよく知られていますが、特に体が冷えやすい秋冬の季節は、食品の色や産地に気をつけ、体を温める作用がある食べ物や飲み物を意識的に摂ってみることをお勧めします。
3、体温+4℃の熱めのお湯に浸かる
体温を上げるには、普段の入浴方法を少し変えてみるのも良いと思います。
夏場はぬるめのお湯にゆっくりと浸かって疲れをとるのも良いですが、体が冷えやすい冬場は、少し熱めのお湯や温泉にしっかりと浸かって、体を十分に温めてみることをオススメします。
このことに関して、たとえば免疫学で有名な安保徹氏は、お湯の温度は体温+四度が調度良いと『体温免疫力』のなかで述べています。
体温が三十六~三十七度の人であれば、一般的に言われるようにお湯は四十~四十二度が適温ですが、三十五度くらいしかない低体温の人であれば三十九度程度に調整しないと熱く感じてしまいます。
お風呂に入るといっても、すぐに湯から出てしまう「カラスの行水」では身体は温まりません。身体が芯まで温まるのにはそれなりの時間が必要になります。体温+四度のお湯に十分間、全身浴で湯船に浸かったり、半身浴で三十分から一時間浸かったりすることが効果的だと安保氏はいいます。
また、もし熱くなってつらいと感じたらその時は早めに出たほうが良いそうです。その時、めまいなど起こして転倒してしまわないように慎重に湯船から出ることが大切です。
以上が体温を高める方法についてです。
関連ページ「免疫力と体温」