玄米は古来から日本人の主食であり、健康的な生活を支えてきたと言われています。
ちなみに玄米とは稲からもみ殻だけを取り去ったものを指します。玄米から糠(ぬか)を取り除き胚芽を残したものを胚芽米であり、さらに胚芽米から胚芽を取り去ったものが白米です。
玄米の糠(ぬか)にはビタミンEやビタミンB群などのビタミン類、、鉄や亜鉛などのミネラル類、食物繊維などが豊富に含まれているため、玄米は白米に比べると栄養素が数倍も多いとされています。
ビタミンEには老化防止、血流改善などのはたらきがあり、ビタミンB群に関しては、中でもビタミンB1が100gあたり白米の約5倍も多く含まれていま す。ビタミンB1は糖質をエネルギーに換える役割があるため、玄米は主食として最適です。また、ビタミンB1は不足すると疲労が溜まりやすくなったり、イライラや集中力の低下を招いたりすると言われています。
ミネラルに関しては、カリウムやカルシウム、マグネシウムや マンガン、鉄、亜鉛などのミネラル群が豊富ですが、特に普段なかなか摂取しにくいために不足がちになる鉄が玄米には多く含まれていることは特筆に値しま す。鉄は貧血の予防や女性の不妊症の改善に効果があり、玄米を主食にして1日に茶碗で3杯食べれば、かなりの鉄分を補給することが出来ます。
玄米はまた、ビタミンやミネラル以外に食物繊維が100gあたり白米の約6倍 と非常に豊富なことも注目したい点です。
食物繊維は、腸内の発がん物質など有害物質を排泄して、腸内環境を改善してくれます。腸内がきれいになればそれだけ善玉菌が増えるので、リンパ球を活性化し免疫力が高まります。また、腸の蠕動(ぜんどう)を促し、便通を良くするはたらきもあります。
さらに玄米にはγ(ガンマ)‐オリザノールが含まれていることが、近年脚光を浴びています。γ(ガンマ)‐オリザノールとは、米ぬかや胚芽に含まれているポリフェノールの 一種のことで、コレステロール低下作用、抗がん作用、抗酸化作用、脳機能の改善作用など、多くの免疫力効果があると言われています。
また、近年の研究に よってγ(ガンマ)‐オリザノールには、糖尿病や肥満症、認知症といった生活習慣病を予防する働きがあることが分かってきています。
それに加え、γ-オリザノールは、脳の視床下部に直接働きかけて自律神経を調節する作用があるため、自律神経失調症にも効果があるとされています。
そのほか、強い抗酸化作用、抗がん作用、排毒排泄作用などがあることで注目されているフィチン酸、NK細胞の活性化や抗酸化作用があるとされるアラビノキ シラン、肝機能改善や動脈硬化予防効果が見込めるイノシトール、精神安定作用・血圧降下作用があるGABA、認知症予防の効果があるフェルラ酸など、生活習慣病やがんなどの改善に有効だとされる成分が多く含まれています。
ちなみに、玄米をなかなか普段から食べるのが難しいという方には、焙煎しているためにスープやカレーなどの料理に手軽に混ぜて食べることが出来る「玄米まるごと玄煎粉」といった商品があります。