「小周天」で免疫力を高める

身体をゆるめ、気の流れを感じるようにすることは、免疫力を高めることにつながってきますが、その際、大切なのは、気の通り道であるからだの「中心・コア」を意識することです。

 

「中心・コア」という表現は漠然としていて分かりにくいかもしれませんが、言い換えれば、からだの「芯」や「軸」、「正中線」のことです。

 

このからだの「正中線」は気の循環経路であるため、非常に重要な意味をもっています。ヨガにおいては「チャクラ」と名付けられていますが、気の世界においては「小周天」と呼ばれています。

 

この「小周天」については、気の研究者でもあり医師でもある矢山利彦氏の『気の人間学』のなかに明快な記述があるので、以下、少し長いですが引用してみます。

 

 「小周天」という言葉には、東洋思想の宇宙観・人間観がエッセンスとして込められています。つまり人間は、それ自体が小宇宙(天)であり、外なる宇宙が天「気」という自然のエネルギーによって、運行されているように、内なる宇宙である身体も気もエネルギーが循環することにより成り立っていると考えるのです。この人体の気の循環のなかでも、人体の正中線を流れる気の循環経路は、特に重要な意味をもっているので「小周天」、すなわち人間が小宇宙であることを自覚したときの、あるいはそうなるための気の循環という意味の名称がついています。人間が小宇宙であると自覚するとは、自分自身が細胞レベルからスピリットのレベルまでのホロニックな構造によって成立しているという自覚をもち、それから生じる一定の力、能力をもつことといえます。

(矢山利彦『気の人間学』p24~25)

 

 この小周天をマスターするのは簡単ではないかもしれませんが、最初に述べたように、気の通り道である身体の軸を意識することは、長時間のデスクワークやスマートフォン操作などによって猫背や腰痛になることで、血液の循環が滞り、免疫力が低下するのを避けるためにも大切なことだと考えられます。

 

またその際、肩甲骨と骨盤、さらにその二つをつないでいる背骨を意識しながら身体のバランスを整えるようにするとより効果的です。

 

さらに、からだをゆるめることでリラックスし、副交感神経を優位にすることは免疫力の向上につながります。

 

なお、小周天に関心がある方は、矢山利彦氏による以下の動画を参考になさってみてください。



矢山式小周天