ここでは、心の免疫力を高めるために、人生の失敗は成功という意味であるということについて述べています。
自分の人生は失敗の連続なのではないかと思い、人生に絶望したり、気持ちが塞ぎこんでしまったりする経験をもつ方は、少なからずいらっしゃると思います。
また、職場や学校、家庭など、日常生活のなかで、思わず「失敗」をやらかしてしまい、そのことで落ち込むことがあるのは当然のことだと思います。
しかし、もし「失敗」してしまうと、その失敗の度合いによっては、自分がとった行動に対して「もしあの時あのようにしていれば」と後悔したり、自分を責めたりしてしまいます。そしてそのことによってストレスを溜めすぎると、免疫力や生命力が低下し、心身の健康のバランスを損なってしまう可能性もでてくるため、注意が必要です。
ちなみに、日々の生活のなかで、失敗をしてしまうことは、ごく自然なことなのです。
なぜなら、人は(その時点では分からなかったという)認識不足によって、常に自分にとって正しくてパーフェクトな選択・行動を行えるわけではないからです。
そのため、過去に「失敗」したことをただ悔やんでも仕方がなく、「失敗した経験」から「次は同じ失敗を繰り返さないようにする」と決意することの方が大切なのだと思われます。
そして、いかに「失敗」したことからなるべく早く立ち直れるかが、心の免疫力を高めるために重要になってくると考えられます。
たとえ失敗したことによって自分は不幸だと感じたとしても、失敗したことがきっかけで、自分が成功だと思えるような出来事や物事と結びつくこともあるのです。
もしそのような出来事や物事に失敗したおかげで出会い、結果的に「失敗して良かった」と思うことができれば、その瞬間、過去の失敗は現在の成功のためにあることが分かるのです。
つまり、ついやらかしてしまった「失敗」は、長い目で見れば、結果的に「成功」になるのであり、「失敗は成功のもと」なのです。
このことは、現時点では「失敗」だと思っていたことも、長い目でみれば、「成功」のために必要だったのであり、時間が経つにつれて、自分にとっての「失敗」の意味が変わるということでもあります。
そのように考えてみると、長い人生のなかで、「失敗」というものはどこにも無いということになるのです。なぜなら、いま述べたように、「失敗」の性質や自分にとっての意味合いは、時間と共に変化するからです。
もう一度繰り返しますが、現時点で、自分のなかに「失敗」したと思っていることがあったとしても、時間の経過とともに、自分にとっての「失敗」の意味合いは変えることができるので、「失敗」は「失敗」ではなくなるのです。
その「失敗」が「自分が成功だと思えるようなこと」に結びつけられればより良いのですが、失敗したことに悩んでいる場合、「過去のあの失敗が今の成功につながった」とすぐに思うことは難しいかもしれません。
しかし、しばらくすると、自分が「失敗」したと思っていたことの性質が変わっていくことについて、心のどこかに留めておくと、少しは気が楽になると思います。
すなわち、長い人生において<失敗>は存在しないのです。
なぜなら、何度も述べるように、失敗の意味合いは時間とともに変化しますし、固定できないからです。
そのため、もし自分が何らかの「失敗」したという記憶にがんじがらめになり、自分で失敗を固定することで苦しい思いをしているならば、あの時の「失敗」は今の自分のために必要だったと思えるようになるまで、気晴らしに自分の好きなことをしながら待ってみることも大切であるように感じます。
また、ゆっくりとした呼吸や瞑想などを行ない、副交感神経を活性化させてリラックスすることで、悩んでいる自分に対してうまくやりすごすことも必要になってくるように感じられます。
このように述べるのは、たとえ今の天気がどしゃ降りだったとしても、待っていればいつか再び青空が見え、陽が射すのと同じように、もし失敗したことによって気分が落ち込んでいても、しばらく待っていれば、気持ちが晴れることもあると思うからです。
人生は失敗の連続ですし、人は完ぺきな存在ではないため、時々、知らなかったことが原因で大きな失敗をやらかしてしまうのは、ごく自然なことです。
したがって、自分の「失敗」を悔やんでしまうことが多いとしても、失敗は悪いことではなく、自分にとっての成功のために必要なことですし、そもそも長い目で見れば人生に<失敗>など無いのです。
このことが人生の失敗は成功という意味であり、人生が続く限り、自分にとっての「失敗」の意味合いも常に変わっていくのです。