ここでは免疫力を高める食べ物として、わかめや海苔などの海藻類について述べています。

水溶性食物繊維のアルギン酸には、大腸内で発酵・分解されると、腸内環境が良くなる整腸効果があります。免疫細胞が集中している腸の腸内環境が良くなると、免疫細胞の働きも活性化されるので、免疫力は自ずと向上していきます。

また、体内の塩分を外に排出する作用や、血中のコレステロール値を下げる働きもあります。そのために高血圧予防や生活習慣病の予防の効果があると言われています。そのほか、放射性のストロンチウムや重金属のカドミウム等有害物質を体外に排泄するとされています。

さらにミネラルの一種であるヨウ素（ヨード）も多く含まれていますが、ヨウ素は新陳代謝を促し、子供の成長を促進する働きがある甲状腺ホルモンの主原料になります。また、ヨウ素には血液中のコレステロール値を下げる働きがあることも判明してきたと言われています。

それ以外では海藻のネバネバ成分である「フコイダン」の働きが注目を集めています。

「フコイダン」はわかめの芽株（めかぶ）の部分に多く含まれ、外から体内に侵入した細菌やウイルスを攻撃するＮＫ（ナチュラルキラー）細胞を活性化する働きがあるため、免疫力を高めてくれるとされています。

また、フコイダンががん細胞にアポトーシス（自滅プログラム）を起こさせるという研究発表があり、がん治療の効果に期待されています。さらに、抗ウィルス効果や抗アレルギー効果があることも、近年の研究発表で分かってきたと言われています。

それに加えて、カルシウムが乾燥カットわかめ１００ｇ中に８２０ｍｇも含まれています。カルシウムは周知のとおり、丈夫な骨や歯をつくるのに重要な働き をするほか、イライラを防止する効果があると言われていますが、わかめはカルシウム源としては小魚にひけをとらないくらい優れた食材だとされています。