失敗と後悔の意味

ここでは失敗と後悔の意味について述べています。失敗と後悔の意味や違いについて知ることは心の免疫力を高めることにつながります。

 

失敗を後悔することは、情動ストレスとなり、IQ値を下げたり、精神面に悪影響を与えたり、免疫機能を全般的に低下させたりする原因になってしまいます。また、情動ストレスがひどくなると吐き気や震えなど身体にも影響を及ぼすようになります。

 

そのため失敗を悔やみ続けるのは出来れば避けたい行為ですが、しかし日常生活においては誰もが当然のように幾度となく失敗したり、失敗したことを後悔したりしていると考えられます。

 

では、「失敗と後悔」は一体どういうことを意味しているのでしょうか?

 

実は失敗も後悔も、「自分に生じた過去の出来事」について意識を巡らすという点では同じです。当たり前のようですが、失敗も後悔も未来に生じることはないのです。

 

また、失敗も後悔も同じことを指しており、これについても「自分に生じた過去の出来事」が関係しています。「自分に生じた過去の出来事」を失敗と見なし、それを後悔しているのです。つまり、後悔とは自分が過去の出来事を失敗だと思った時に生じてくるのです。

 

しかし失敗と後悔の違いとは、「失敗」は人間が生きていくうえで避けられないことですが、後悔は失敗したと思い込んだ過去に自らが止まり続けることなのです。

 

では具体的に後悔とはどのような思考回路なのでしょうか? 実は後悔とは率直に言ってしまえば、「自分が今こうであるという現状の原因を過去に求める」ことです。

 

つまり、「私が今、このような状態にある」のは、「過去に~が起きたせいだ」や「過去に~をしてしまったせいだ」と考えてしまうことなのです。言い換えれば、過去の出来事が原因で、「今の自分」はうまくいっていなかったり、何らかの不利益を被っていたりすると推測してしまうことなのであり、その過去の出来事を「失敗」と見なしてしまっているのです。

 

後悔と違って「失敗」は人生に必ず存在する

 

このように考えると、最初にも述べたように、「失敗」と「後悔」は自分の過去の出来事が問題になっていることが分かってきます。ところが、「失敗」と「後悔」には決定的な違いが一つ存在します。

 

それは、「後悔」と違って「失敗」は人生においてなくてはならないものだということです。

 

なぜなら「失敗」が無ければ人は成長することが出来ないからです。失敗をしたと感じるたび、そのことを悔やんでしまうのは仕方ありませんが、「失敗は成功のもと」ということわざがある通り、失敗は今の成功のためにあるのです。

失敗は成功のためにある
過去の失敗は今の成功のためにある

よく「失敗」は悪いことだとされ、「失敗」するたびに自分で自分を責めたり他人から容赦なく責められたりします。しかし、「失敗」は決して悪いことではなく、「失敗」がなければ人はその経験から何も学ぶことが出来なくなるどころか、生きていくことすら不可能になります。

 

なぜなら、生物が進化を遂げられたのは「失敗」の連続があったからです。生物にとっての「失敗」とは捕食の経験であり、「失敗」とは即ち<死>を意味しています。

 

そのため、まず、今、生きていられるという時点で「成功」しているということを頭に入れておく必要があります。

生きていられることが成功