ここではビタミンCの免疫力効果について述べています。
ビタミンCは全身の酸化還元反応に関係しています。小腸から吸収された後、ビタミンCは肝臓に運ばれ、そこから血流に乗って全身の組織に送られますが、強い抗酸化作用があるため、様々な酸化還元反応に関わっています。
そのため、ビタミンCは、ヒドロキシルラジカルや過酸化水素といった活性酸素の消去や、免疫力の強化など、多くの生理作用に役立っています。
また、ビタミンCは、体内たんぱく質の約3分の1を占めるコラーゲンの合成を助け、皮膚のシミやしわを防ぎ、傷や火傷の治りを良くします。ビタミンCが欠乏で起こる壊血病は、コラーゲンの合成不足が原因です。
さらにビタミンCは、肝臓の薬物代謝に関わる酵素を活性化し、解毒作用を高めるほか、腸管からの鉄の吸収率を高め、過酸化脂質の生成を抑えます。
そのほか、抗ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンの合成にも関わっているため、ストレスを感じることが多ければ多い程、ビタミンCの補給が必要になります。
この副腎皮質ホルモンに関しては、特に「アドレナリン」が作られる際にビタミンCが必要になります。
それに加え、ビタミンCはセロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンといった、幸福感や報酬系、やる気に関わる脳内伝達物質の生成にも必要になるため、不足してしまうと、これらの脳内伝達物質はうまく作られません。
しかし、ビタミンCは体内で作られず、ストレスを感じることが多い社会では不足しがちになるため、サプリメントやL‐アスコルビン酸などでこまめに摂るようにすることが望ましいとされています。
ちなみにビタミンCは水に溶けやすく、熱や酸に不安定な性質を持っているため、生食やさっとゆでる調理法などで摂取することが望ましいと言われています。
ビタミンCを多く含んでいる食品としては、柑橘類、キウイ、イチゴ、赤ピーマン、ブロッコリー、じゃがいも、アセロラなどが挙げられます。
欠乏症に関しては、代表的なものとして毛細血管がもろくなる壊血病が挙げられます。過剰症については、尿として速やかに排泄されるため、特に報告はありません。
以上がビタミンCの免疫力効果についてです。
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