アスタキサンチンの免疫力効果

ここではアスタキサンチンの免疫力効果について述べています。

 

アスタキサンチンにはエビ・カニ等の甲殻類の体内に蓄えられる赤い色素のことです。ベータカロテンやリコピンと同じカロテノイドの一種で、鮭に多く含まれています。

 

鮭の紅色はこのアスタキサンチンによるものですが、抗酸化力が他のカロテイノイドよりも非常に強いとされ、多くの医師から注目されています。

 

抗酸化とは、活性酸素に よって細胞が酸化し、サビついていくことを防ぐことです。活性酸素は、体内の細菌やウィルスから守る白血球の働きに必要なものですが、増えすぎると健康な 細胞をサビつかせてしまい、そのことが老化の原因になります。

 

酸素を摂り入れることで必ず発生するので、酸化を防ぐことは出来ませんが、激しい運動や食べ 過ぎなどでよりエネルギーが必要になると、摂り入れる酸素の量も増えるので、老化の進行が早まったり病気のリスクを高めたりします。

アスタキサンチンの特長は、細胞膜の中心部と表面で高い抗酸化力を発揮することです。ビタミンEは細胞膜の内側で、β-カロテンが細胞膜の中心部で抗酸化力を発揮するのですが、アスタキサンチンは細胞の表面と内側の両方に働きかけるのです。つまり、中と外のどちらからも、活性酸素による酸化を防いでくれるのです。

 

特に紫外線によって発生し、シミやシワなど肌の老化の原因となる「一重項酸素」と呼ばれる活性酸素に対する抗酸化力が、ベータカロテンの約40倍、ビタミンEのなんと500倍以上と非常に強いことが分かっています。

 

一重項酸素が紫外線によって発生すると、皮膚の表面で皮膚を保護する膜のような働きをしている皮脂が、汚れた油になるように酸化してしまいます。そうなる とニキビや肌荒れを起こす原因になってしまいます。また、紫外線はコラーゲンを減少させ、肌の弾力や張りを失わせ、そのためシワが増えます。

 

また、体内で分解しきれなかった糖が、肌のたんぱく質やコラーゲンにこびりついて、肌の弾力やしなやかさを失わせてしまう原因であるとも言われています。

 

余分な糖がたんぱく質と反応して蓄積したものは「AGE」と呼ばれていますが、体や肌の糖化を防ぐのにも、アスタキサンチンは有効だとされています。そのため、肌のアンチエイジングだけではなく、糖尿病への予防効果などについて期待されています。

 

なぜ、アスタキサンチンにはそれほど強力な抗酸化作用や免疫力効果があるのでしょうか? その秘密は、鮭が産卵のために川を遡る時に多くの酸素を取り込むことで発生する活性酸素を防がなければならないことにあると考えられています。アスタキサンチンが鮭の筋肉に蓄えられていることで、力強く川を遡る時の急激な細胞の サビつきが抑えられているのです。

アスタキサンチンは脳や目の細胞の抗酸化にも力を発揮

脳は生命活動を維持するために最も大切ですし、目も非常にデリケートな器官であるため、その入り口にはそれぞれ「血液脳関門」、「血液網膜関門」という、届けられる栄養素を厳しく監視し、不用な物質はすべてはじかれてしまう関所のようなものがあるとされています。

 

これらの関門はビタミンCやビタミンE、βカロテンなどの抗酸化物質でさえやすやすと通れないのですが、アスタキサンチンはこれらの関門を通過することができる数少ない物質だとされています。

 

脳はストレスが増えすぎることで活性酸素が発生し、酸化によって細胞の老化が促進することで、物忘れをしやすくなりますし、目のほうもパソコンやスマートフォンなどの使用時間の増加で、目への負担が大きくなり、視力の低下やドライアイなどにつながる可能性があります。

 

アスタキサンチンの抗酸化力は脳や目に直接作用するので、眼精疲労の解消や、脳の衰えを防ぐのに役立つとされています。また、悪玉コレステロール (LDLコレステロール)が酸化されるのを防いでくれるため、血栓が出来ないよう脳の血管を若々しく保ち、脳梗塞や脳出血を予防するとも言われています。

 

アスタキサンチンは鮭の身に多く含まれていますが、毎日、鮭ばかりを食べるというわけにはいかないので、サプリメントでの摂取がオススメです。