納豆は日本の伝統的な発酵食の中でも、特に健康維持や免疫力アップに期待が出来る食品です。良質のたんぱく質や免疫機能を保つビタミンB6などが含まれていますが、中でも特に注目されているのは、納豆菌とタンパク質分解酵素「ナットウキナーゼ」の働きです。
納豆菌は腸に届いた納豆菌は腸内で活性化し、自ら善玉菌の働きをし、悪玉菌を減らしてくれます。しかもそれと同時にビフィズス菌などの善玉菌まで増やしてくれるはたらきもあります。
善玉菌が増えるとそれだけ腸内環境が改善され、免疫機能の向上や整腸作用が期待出来るようになります。なぜなら腸はヒトの免疫システムの7割を担っているとされているからです。しかも納豆菌はなかなか死滅せず腸内でしぶとく生き続けるので、納豆菌のはたらきには、目を見張るものがあると言えます。
さらに、納豆のネバネバ部分に含まれているナットウキナーゼというタンパク質分解酵素には、血栓溶解作用があり、脳梗塞や心筋梗塞の予防に効果があるとされています。血液の凝固作用があるビタミンKも含まれているので、納豆は血液のバランスを良い状態に保ってくれるのです。
ちなみに食べ物を消化のために分解してくれる酵素は熱に弱い性質があるため、生野菜や果物といった、加熱されていない食材にしか含まれていませんが、ネバネバが増えれば増えるほどナットウキナーゼが増える納豆は、手軽に酵素を補充できる貴重な食材であると言えます。
他にも血管に付着したコレステロールや脂肪などを洗い流し、血管をきれいにすることで動脈硬化を防ぐ働きがあるサポニンという成分も含まれています。
また、「止血のビタミン」と呼ばれているビタミンKも、納豆には豊富に含まれています。ビタミンKは、血液凝固因子のプロトロンビンの合成に補酵素として働くほか、骨のカルシウムの沈着にも関わっています。
腸内の善玉菌が増えるとともに、血液がきれいになれば、それだけ免疫細胞が活性化し働きやすくなるので、納豆は免疫力効果を高める食材として欠かせないと思われます。